【旅行記】LSDと浮遊するヨーロッパ

【旅行記】LSDと浮遊するヨーロッパ

一日中、いや一週間以上、ずーっと繰り返し聴いても、全く飽きない音楽に出会うことがある。
私の場合は年に数回、合計で10曲もいかないくらい。

今はiMusicやその他音楽配信サービスのおかげで膨大な数の楽曲にアクセスできるようになった。しかしそれでも、「これこそお気に入り」という曲を意図的に見つけることは難しい。

6月末に仕事でドイツに行くことがあって、そのついでにウィーンにも行ってきた。その移動の飛行機の中で、死ぬほどリピートしても全く飽きない音楽をまた見つけたのである。
機内モニタで配信されていたLabrinth, Sia & Diploのコラボアルバム「LSD」。映画に飽きたあとはずっとそれを聴いていた。

「死ぬほどリピートしても全く飽きない音楽」っていうのは、その時の自分の心象に完全にフィットする。
心と頭の中は常にいろんな要素が混ざり合って動いている。しかもどれも掴みどころがなく、水の流れのように流動的で、循環している。

「心象風景」というように、何か視覚イメージが浮かんでくれば今の自分がどんなことに気を取られているかわかりやすいもんなんだけど、それすら浮かんでこない時がある。大して疲れてるわけでもないのに気づくとぼーっとしていてる。特に落ち込んでるわけでもない。
なんだか引っかかるけど、決して嫌な気分ではない。

もしかしたらそういう時に「死ぬほど聞いても飽きない曲」に出会えるのかもしれない。視覚がダメなら聴覚からアプローチ!ということなんだろうか。(誰からのアプローチ?)

Labrinth、Sia、Diplo、それぞれの頭文字をとって「LSD」というタイトルにしたんだろう。程よくポップで、いい意味でアーティ(arty、美術家気取り)。万人ウケするような音じゃないのはわかる。
バウンスする電子音に、緊張と緩和が繰り返される劇場的な曲の流れ。それに聴き手をちょっと不安にさせるような音が多い。LSDの3人がそれなりにこだわってるんだろうと思う。
全体的に癖のあるアーティなアルバム(実際に各国でのランキングもそこそこ)。だけど、ポップミュージックに留まろうとしてくれてるから聴きやすい。インテリ好みの排他的な美術家ではなくて、多くの人に対してウェルカムなアーティストみたいな感じがして好きだ。

飛行機から降りるとすぐさま空港のWifiに繋いで、iMusicにこのアルバムをダウンロードした。

2回のトランジットで20時間超えのフライトだった。
疲労とナチュラルハイ、
初夏の青空、
異国の空気、
これらのせいで精神も足取りもふわふわしていた。
この状態でのLSDは最高に効く。

私のウィーンの思い出は、LSDによる浮遊感から始まっている。

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Top photo from http://www.droppinglsd.com/
Edited by Niki