ポキっと折られる

ポキっと折られる

今日は朝から晴天。しかし空気はひんやりしていて、さすがのオーストラリアも冬めいてきているようです。
正午過ぎからお出かけ。バスと電車に乗ってショッピングモールへ。私たちは車を持ってないので、モールでの買い物も1日がかりです。いい運動にはなるのですが、重くて大きなもの(家電とか)は買えないし(運んで帰れないから)、バスと電車の乗り継ぎのタイミングがよろしくないので、駅やバス停で30分ほど待ちぼうけすることも多い。私は東北地方の片田舎出身なのでこうした不便さには慣れているつもりですが、やっぱり車が恋しいです。

モールへ向かう途中、電車の乗り換えまで時間があったので昼食を探しに駅周辺をぶらつきました。駅前にスーパーや店が集まったマーケットタウンがあり、そこで軽食を買って駅で食べようと思ったのです。

パートナー氏はいつも食べたいものが明確なタイプなので、クロワッサンと惣菜パンを買いにベーカリーへ。私はなんとなくサンドイッチを食べようかと彼について行ったのですが、ベーカリーを含むその他のお店でもめぼしいサンドイッチが見つからない。キョロキョロうろうろしていると、とある列に並ぼうとしていたおばさんから「並んでる?」と声をかけられました。

「ああすみません、並んでないです、どうぞ」
と日本語ならとっさに出てくるんですが、英語だとそうはいかないんです。
一瞬の空白の間。その後完璧に言語化されていない未発達な音が口から流れ、ジェスチャーと共に「並んでません、どうぞ」の意志を示す。

日本語で物事を考えている時にいきなり英語で話しかけられたので、頭がうまく切り替えられず、正直、おばさんの言葉も完璧にはキャッチできていませんでした。その場の雰囲気で察した部分が8割強。

こんなことでも、精神的にけっこう落ち込んだりします。私はプライドが高いから尚更。頭の中を占めるのは「全然英語しゃべれてないじゃん。だっさ。」という気持ち。そこで過去に対話でドギマギした記憶や、相手の言っていることをうまく聞き取れなかった経験の数々を思い出してしまってさらに落ち込むんです。

snapという動詞にはいくつか意味がありますが、「ぽきっと折る」という意味も持っています。私がこうした瞬間に出会う時にいつも思うのが、このsnapという単語。私のプライドを小枝のように「ぽきっと折る」イメージが浮かびます。豪州に来て半年以上、大きな衝撃でプライドをズタズタにされることはありませんでした。しかしこうした小さなsnapは頻繁にあります。

大人として歳を重ねるに連れて、失敗して恥をかく経験にさらされることが少なくなりました。失敗を回避する小賢しい手法を身につけてしまって、恥をかくことに対する免疫が弱まってしまいました。

いや、私の場合、そもそも免疫力が高くなかったな。
小学生の時だって、ほぼ100%正解の自信がある時にしか授業中に手を挙げなかったしな。