LIFE / WORK

凡才フリーランスの不安:お金と創作意欲の関係

自分の創作物の対価としてお金をもらい、それで生活していく。
これを実現させるには一体どうしたらいいんだろうと考えながら会社員生活を送ってきた。

現在私は会社員を辞めて、自分の創作に多くの時間が割ける生活をしている。
1年前の自分からすると夢のような暮らしだが、最近2年ぶりに不安障害(パニック障害)をぶり返した。

不安の正体はお金である。

今回ここに記録するのは、会社員を辞めた今だからこそ再確認できた自分に向いているフリーランスとしての働き方についてだ。

現在の私のステータス

現在は私はオーストラリアにて、パートナーと二人暮らしをしている。
私が負担しているのは食費のみで、他生活費は全て彼が負担してくれている。(この時点で、「家賃も光熱費も他人任せの、ただのぬるま湯野郎じゃねえか」と思う人もいるでしょう。おっしゃる通りです)

継続的な仕事として行っているのは、英日翻訳と、前職の会社の営業アシスタント(これは進捗管理や案件整理など、遠隔作業でできるもの)。稼働時間はまちまちだが、週に10~20時間くらい。

私の現在の目標は、文筆業のプロフェッショナルになることである。

2年ぶりのパニック発作

私の現在の収入は少ない。しかし上記の通り支出も大して多くないので、これまで収支バランスは赤字にならなかった。
2月には現地でのカフェバイトも始め、会社員時代に貯めたささやかな貯金にもほとんど手をつけずに暮らしてこれたので、これまではあまりお金の心配はしてこなかった。

しかし、COVID-19が状況を変えたのである。

翻訳の仕事が減った。現地で始めたカフェバイトも辞めざるを得なくなった。
特に現地バイトがしにくくなったのは大きな誤算だった。貯蓄が難しくなってしまったのである。
今は収支バランスがほとんどプラマイゼロ、自転車操業のような状態になってしまった。

何が起こるかわからない状況で貯金を崩すのは怖い。コロナの影響でしばらくは現地バイトも見込めない。お金が減っていく一方である。

文筆業では稼げないのか

1年前の自分の楽観的観測。
2020年はたくさん記事を書けるはずだ。上手くいけば、書きもので少し収入も見込めるかもしれない。

そして2020年5月時点の現状。
記事を書くスピードは遅いし、全然記事のストックもない。SNSのフォロワーだって少なすぎるし、ライティング案件の仕事をもらえるなんて程遠い。

あなた今まで一体何をしていたの?と言いたくなるが、これでも紆余曲折あって、記事を書いては気に入らずに消したり、お蔵入りにしたり、ブログの方向性が定まらずに全く記事が書けなかったり、まあただボサッとしていただけではないことを弁明させてください。
とどのつまり、人生予想通りにいくことの方が少ないし、遅筆で気まぐれ、さらにはこだわり症の人間が簡単に仕事にできるほど、文筆業は甘いもんじゃないとわかった。

*** 仕事ではなく趣味だからこそ書くことが楽しいのでは、とも思う。時間に追われず、誰の指図も受けずに好きなだけこだわり、書きたいことを書ける。本当に文筆業を仕事にすべきなのだろうかというのも、また別の疑問 ***

文筆業で稼ぐにはまだまだ時間がかかる。
現在の仕事で得られる収入は生活費に消える。
現地バイトを探すのは難しい。
ビザの申請にかかる料金はどうする。貯金を崩していっていいものか。
お金が足りない。来年の私は一体どこで何をしているのだろうか。

そう思い始めると、どんどん不安と恐怖に意識が支配されていった。
目の前の仕事にも手がつかず、挙句の果てに2年ぶりのパニック発作である。

健全な創作意志は、健全な経済基盤に宿る

不安は何も生み出しやしない。
やるべき仕事も消化できていないし、不安を解消するための具体的な改善策も考え出せていない。

じゃあ、どうすれば不安を吹き飛ばせるのだろうか。
少し落ち着いて、不安の根元について考えてみよう。

不安の理由はお金。もう少しだけ稼ぐことができれば安心できる。
では具体的にそれはいくらぐらいか。とりあえず数万円でいい。
それでは月に20日稼働だとして、日給に換算するとどのくらいか。
それを一日8時間稼働だとして割ると、時給にしてどれくらいか。

こうやって算出された数字は、全然手が届きそうな値である。
(そりゃそうだ。だって月に数万、できれば十数万あれば万々歳といった規模なのだから。月に数百万なんて目指しているわけじゃない)

そして、私が今すぐにでも稼ぐことができる方法は、現地バイト以外にもあるじゃないか。今はオンラインで色々挑戦できる。翻訳のクライアントを増やすために営業をかけることだってできる。

物書きとして今すぐ稼ぐことにこだわる必要があるのだろうか?
その結果自分の夢に囚われすぎて、不安が加速してしまった。
私は「文筆業で稼がなくてはならない」という思い込みを止めたことで、気持ちがだいぶ楽になったのである。

私の場合は、生活に困らずにちょっと貯金に回せるお金まで稼ぐ基盤があって、目標を目指す意志力が湧いてくる。創作意欲も湧いてくる。安定した精神で、書くことに向き合える。

そう、ここに来て気付いた。
一人暮らしできるだけの給料をもらい、気まぐれに細々とブログを書いていた会社員時代こそ、私の理想の暮らしだったんじゃないか。

働くための前向きな覚悟

オーストラリアに来てからの約半年間、私はフルタイム勤務から離れ、怠け者でお気楽者の生活を享受してきた。
だから正直、もう一度ガッツリ働くことへのためらいもあった。
しかし自分の不安を細かく砕きながら考えていくと、決して大きな困難へ立ち向かおうとしているわけではないことに気付いた。
踏み出すステップを小さくして、上りやすくするアイディアが必要である。
そしてあとは、踏み出す覚悟。

やるべきことと気持ちの整理がついて一歩踏み出す覚悟ができた夜、普段よりも早く眠りについた。
それにもかかわらず、次の日の朝は思いっきり寝坊した。ものすごく眠くて、いつもの時間に起きられなかった。

だけど目覚めた時の気分は久しぶりにすっきりしていて、昨日までの不安はもうほとんど残っていなかった。目の前の道がはっきりと確認できた感じだった。

ある程度安定した収入が見込めること、手元に蓄えがあることで気持ちに余裕ができ、安心して創作活動に集中できるのが私。
どんな状況になろうが構わない、何がなんでも創作に集中したい、と振り切れないのが、我ながら凡才であると思う。

自分の好きなことで独立したい、フリーランスになりたいと考えながら、どこか苦しさや不安を感じている人。その不安を無視して、わざわざ無理する必要はないかもしれない。

現職が多忙すぎて自分の夢のために時間がさけないのなら、もっと自分の時間が持てる職場に転職するのも一つの手だと思う(私自身がそうだった)。

いつか物書きとしての収入が、生活のための仕事の収入を越す日がくるかもしれない。凡才の私は行ったり来たり右往左往して、愚直に少しずつ前に進むしかない。

▷こちらも合わせて

https://www.moegi1990.com/2020/05/how-to-work-in-quarantine.html

-LIFE / WORK
-

© 2020 MOEGI All Rights Reserved.