都内の古着屋で、一瞬目の端に入っただけなのに、「これはとんでもない代物だ!」と思ってしまったコートを見つけました。
"Made in Western-Germany BAVARIAN LODEN-COAT"と記された臙脂色のコート。
上品な色、襟やポケットの縁には黒のライン、そして裏地まで丁寧に作り込まれ、古着にもかかわらずとても状態がいい。手に持つと確かに重量感はあるものの、長い丈と生地の量に対しては軽めに感じました。
一目みただけで絶対に買う気になっていたのですが、袖を通したらどう見てもサイズが大きい。お父さんのコートを着て遊んでいる子供に見える。
"サイズ12"と表記されており、これは日本の規格でいうと11号に相当するようです。つまりLサイズ、165〜170cmの方向けの大きさ、身長154cmの私にはやはり大きすぎました。
古着との出会いはご縁です。
お店に3度も戻って悩みましたが、やはりこのコートは私よりきちんと着こなせる方の手に渡るべき。購入を諦めました。
「それがこのコートにとっても幸せだぜ...」と、完全に私の片思いで終わった出会いでした。